今データサイエンティストを目指してる人の7割が5年後に年収350万にしかなれない

 

昨今のデータサイエンティスト求人の高給に釣られてこれからデータサイエンティストになろうとしてる人の多くは、望むような収入にありつけないと思う。

 

理由は簡単で、日本にはびこるITベンダとは名ばかりの人売りベンダが、こぞって「データサイエンティスト募集!未経験応募可!」求人を出しまくってるから。

  

 

こいつらこそが日本のプログラマの地位と待遇を貶めてきた悪の親玉、ITに巣食う病理、悪性リンパ腫、諸悪の根源。

 

多くのデータサイエンティストの卵たちが、3〜5年後には「こんなはずじゃなかった」と唇噛み締めてる姿が手に取るように浮かぶ。

 

今後どういうことが起こるかというと、まずはこういう人売りITベンダがかき集めたド素人を適当にラッピングして”でーたさいえんてぃすと”に仕立て上げ、IT音痴のバカなユーザー企業に高価な値札を付けて大量に売りさばく。

 

そうするとどうなるか。

 

「データサイエンティストって役立たずじゃん、何の価値も生み出さないボンクラだな、こんなやつらに高給払うのはありえん」ってことになり、データサイエンティスト自体の市場価格が下落する。

 

例えば今だとフリーランスの分析案件なんかだと単価100万以上で募集かかってることも結構目にするけど、こんなのは今後そう遠くない先に崩壊する。

 

なぜなら、ITベンダーが「データサイエンティストに憧れを持つ人たち」を割安価格で大量に仕入れ、自社で実務経験を積ませることもなく、大した教育もせず、適当な研修を受けさせただけで"実務経験"を粉飾し、無知な企業に割高価格で売りさばくっていう詐欺行為を"今まさに"行っているからだ。

 

結果どうなるかというと、紛い物が大量に市場に出回ることによってユーザー企業はITベンダが売り込んでくるようなデータサイエンティストを信用しなくなり、「どうせ大したスキル無いんでしょ。まあ雑用的なことなら多少経験あるだけでも任せられるから、こんぐらいの金額なら出せるけど」って感じで買い叩くようになる。

 

で、そこまで高度な専門性を必要としないような(例えばAPIでモデル作ったりシステム組んだりするような)案件だけが安値で出回るようになり、しかもITベンダによって大量生産されコモディティ化した人材が市場に溢れかえり、彼らにとって憧れのデータサイエンスの仕事の奪い合いが起こり、さらなる単価の下落が起こることになるだろう。

 

本来、エンジニアリングの中でも特別な価値を持つはずだったデータサイエンスの職能が、他の一般的なシステム開発の職能よりも市場価値が低くなるという逆転現象が起こり得るわけだ。

 

そもそも機械学習やら統計解析やらが必要な案件って本来は限られているはずで、今はPoCとかの"とりあえずお試しで実験的にやってみる"系の案件が出回ってるから人材需要が一時的に高くなっていて、それに相まってスキルを持った人材がいないから求められるスキル要件も低くて仕事にありつきやすいけど、ある程度企業の中で出来ることと出来ないことの知識が蓄積・共有されてくると、全体の案件数自体は減る可能性が高い。

 

そうなった時に、大半の大した実績やスキルのない、TensolFlowとかscikit-learnとかの機械学習フレームワークでとりあえずモデルを組めるだけのエンジニアは職を失うことになるか、低い単価に甘んじて耐え忍ぶ未来がやってくる。

 

これはIT業界で何度も繰り返されてきた歴史の反復。

 

とりあえず人を送り込みさえすれば継続収入が入ってくる人売り企業が素人の毛の生えた人たちをかき集めて、バカな企業に押し売りしてく。

 

そうやって日本のエンジニアの市場は破壊され、人売り企業にかき集められたプログラマーはスキルも経験も無いのに即戦力として企業に売り飛ばされるから、大した経験もスキルも積めないような誰でもできる仕事をやらされるハメになり、スキルが付かないからそこから抜け出せないまま出向元の人売り企業に上納金を収め続けるという蟻地獄。

 

結局、一部の特別なスキルや実績のある人材だけが高待遇にありつけて、それ以外の人売り企業のマーケティングに引っかかった元美容師や元飲食店のプログラマー(人売り企業の求人でよく見かけるパターン)は、年収350〜400万ぐらいの年収しかもらえずに一生を終えることになるんじゃないかな。

 

そういう二極化する未来がやってくると思う。今、プログラマーの職がそうなっているように。

 

大学初等の数学もできない。確率統計も入門書1冊読んだ程度。TensolFlowやscikit-learnでモデル組めました、程度のノリでデータサイエンティストにでもなろうもんなら、どういう未来が待ってるかはお察しの通り。

 

ちなみにタイトルに書いた「7割が5年後に年収350万になる」ってのはなんとなくの数字。

350万じゃなくて400万かもしれないし、450万かもしれないけど、少なくとも700万とか800万とかそれ以上の給与がもらえるポジションにはほとんどの人がありつけない。

 

それでもデータサイエンティストになりたい人は、週に10時間以上かけて数学と統計と機械学習の基礎的な学習を継続して本や論文の数式からプログラム起こせるレベルになって、かつ高度なスキルを証明できるような成果物や実績を作るか、コンサルとかシステムアーキテクト的な上流スキルを身につけて機械学習との合わせ技で戦っていくか、人売りベンダーが入り込みにくいデータ分析基盤のインフラ屋に転向するか、何らかの戦法を考える必要があると思う。

 

要は、コモディティ化しないスキル、大量生産できない職能や実績を身に付けてトップ10%に入ること。じゃないと、お寒い未来が待っていることになる。

 

偉そうに言ってるけど、これは自分への戒めでもある。

 

ということで、未来予測のような占いのような与太話でした。