Hadoopエンジニアの年収が高い理由

どこかに正確な統計が出てるわけではないけど、Hadoopの構築や運用を扱うエンジニアの求人は全般的に給与水準が高い。

 

なぜ給与水準が高いのか。

 

昨今のビッグデータブームのトレンドの中でHadoopエンジニアへの需給バランスが崩れて需要が増えてるからではと考えがちだけど、実は給与水準と需要は必ずしも連動していない。

 

エンジニアに限らず、基本的に給与水準というのは企業の規模や商流でほぼ決まる。

 

例えば同じJAVAシステム開発職でも、孫請け以下の人売りベンダだと年収300〜500万、一次請けベンダだと年収500〜800万みたいなことはザラにある。

 

で、Hadoopの求人は基本的にこのレンジの下限が高めに設定されていて、その結果として給与水準が高くなっている。

 

裏を返すと低い給料の求人が少ないわけだけど、なぜ少ないかというと孫請けベンダとかにまで仕事が流れていかないからで、なぜ流れていかないかというと「外注に出しにくい仕事だから」というのが最大の理由。

 

これは一般的に、データウェアハウス、データ分析基盤というシステムが企業の色んな業務課題と日々の業務フローに密接に結びついているというシステムの特性上の問題と、そもそもそのようなデータ基盤を必要とする企業というのは一定以上のスケールの事業体であるという企業規模の問題の2つが関係している。

 

企業内の色んな課題や業務と密結合になっているのでアウトソーシングができず、結果として多重請負で給与水準の低い中小のIT企業にまで仕事が流れて行かない、従って給与水準が低いエンジニアが採用市場に出回っておらず、出回っているのはそこそこの給与水準を得ている事業会社or1次請けベンダのプロパーが多いから、結果としてある程度の給与を提示しないと採用できない、という構造。

 

というわけで、Hadoopエンジニアは昨今のビッグデータブームによりバブル的に給与が上がっているわけではなく、構造的に高い給与が支払われるポジションなのです。

 

金を持っている企業の事業課題と密結合のテクノロジーというのは金になる、というお話でした。