「機械学習の基礎知識とSQLの経験1年で月単価100万円」の案件が流れて来た

4月末で今の現場を離れることに決めたので、5月からの新しい参画先の案件をここ1ヶ月ぐらい色々探してて、直近のデータ分析周りの市況感というのを肌で感じたので、その辺りのメモ書き。

 

ブログ名の通り自分はデータエンジニアを勝手に自称しているわけで、機械学習やらAIやらはあくまで部分的に関わる程度であり、どちらかといえばそれらを活用するためのインフラ整備をするのが本業だったりする。(本業にしてからのキャリアは浅いことを一応付け加えておく)

 

なので、鼻からデータサイエンティストとしてのキャリアを積もうとは思っていないわけだけど、業務領域的には割と近い部分もあり、特に今はまだ境目がくっきりしていない現場も多かったりするので、データ基盤屋としての案件を色々探してたりしてると付随的にデータサイエンティスト寄りの市況感も知れたりする。

 

例えば、今取引してる企業の別の部署から「機械学習を活用して色々やりたい」という別案件の打診を受けたので詳しく話を聞いてみると、「それやりたいことはデータ分析基盤の整備じゃん」ってなったり。

 

でもお客さんの側では「機械学習が出来る人」が必要だと考えていて、機械学習と言えばデータサイエンティストを連想し、「データサイエンティスト求む」みたいなことになってる。

 

たぶんこれに近い話はそこかしこで発生していて、現場で抱えている課題と、その課題解決に必要な人材要件がズレてしまっている。

 

なぜこのズレが中々補正されないのかと言えば、コンサルやSIやらがそのお客さんの無知を当て込んだ商法を繰り広げてるからというのと、後はお客さんの側でも「データ活用推進 = 機械学習による新たな知見の導出」みたいな大義名分が無いと稟議に通らないという大人の事情も多分にあるんじゃないかと思う。

 

ベンダとしては、お客さんから「機械学習やりたいんだよね」って声かけられたのに、わざわざ「それ機械学習の前にデータ基盤整備すんのが先ですね」と正論で冷水浴びせてご機嫌損ねるよりも、「そうですね機械学習やりましょう」と飲み込んでしまった方が簡単に話が進むし大きな金も落ちるだろうことは、僕みたいな末端にいるエンジニアでも想像に難くない。

 

そういうわけで、上手く騙されたいお客さんと、楽にキャッシュを得たいベンダとの間の共犯関係により、世の中には課題へのアプローチとか人材要件とかが歪められて案件化されたものが多く排出され、その一部がフリーランスである我々のような川下に流れ着いて来る。

 

ちなみに僕はフリーランスといっても直接営業して仕事取ったりしてるわけではなく、そういう営業活動とか出来ないしやりたくもないので基本はある程度信用できるエージェント数社に希望だけ伝えて、後は各エージェントから流れてくる案件を仕訳してピックアップするだけ、というご気楽な方法で仕事を得ている。

 

そんな手抜きなやり口でもそれなりに単価の良い仕事が簡単に決まってしまうわけだから、今が空前のAIバブルなのか、恒常的な需要によるものなのかは、3〜5年後までには決着が着くと思う。

 

とはいえ、AIバブルは間もなく崩壊するだろうと思いつつ1年以上経過してみて今の状況を見ると、まだ崩壊してないどころかむしろ活況の様相を呈していて、意外にこの活況は長く続くんじゃないかと思ったり、いやそう思い出したこと自体がバブル崩壊の兆候かもしれないとか思ったり。

 

そんなこんなで、僕のところに複数のエージェントから「機械学習の基礎知識とSQLの経験1年で月単価80〜100万円」みたいなタイトルに書いた通りの案件が複数流れてきて、なるほど、これは来るとこまで来てしまってるかもな、と思った。

 

ちなみにTwitterでちょっと話題になってたから調べれば企業名は分かると思う。

ただその企業だけじゃなく、別の経路でも似たようなスキルレベルと単価の案件は流れてきた。

 

1年前ぐらいに案件調べた時は、低スキル向けの月単価50〜70万ぐらいの案件と、高スキル向けの月単価100万前後の案件とに二極化していた印象だったけど、まさかここに来て低スキル高単価の案件が出回ってくるとなると、いよいよ怪しくなってきたけど、どうなるのやら。

 

フリーランスの利点の一つとして自由に案件選んだり、短期間で案件変えたりできるという自由さがあるわけで、目先の単価と怖いもの見たさに釣られて試しにどんなもんか入ってみようかという誘惑にかられつつ、理性に全力で制止され、人柱になることは叶わなかった。